ラグビーのススメ②

昨日の続きです。

僕のラグビー歴からお分かりの通り、ラグビーには大小含めケガが付き物です。小さいものは数え切れません。

たまに大学まで一切ケガをしてこなかった、という超人的な人もいましたが、ほぼ不可避です。

首を痛めると命を落とす(または半身不随になる)危険もあるので、危険と隣り合わせであることは間違いありません。

ご覧になった方もいるかもしれませんが、2019年に「奇跡体験!アンビリバボー」で僕の大学の部活の先輩の特集がありました。

杉田さんは2つ上の先輩で、入部当時から将来が期待されていたものの、1年生のときにスクラムで首を痛めてしまい、当時は一生歩けないと宣告されたそうです。

こちらの記事によくまとまっているので、興味のある方はご覧ください(僕はMBAに向けたスコアメイクで余裕がなく、富士登山には参加できませんでした)。

それだけの危険と隣り合わせなのになぜラグビーなのか、ということですが、今の僕があるのは学び、出会い含め、多くがラグビーのおかげだと思っています。具体的に僕がラグビーで学んだことを挙げていきます。

1. チームワーク

これはラグビー以外のスポーツでも得られると思うかもしれませんが、ラグビーこそが一番チームワークを学べるスポーツだと思っています。僕自身は小学生の時にサッカー、野球、ラグビーいずれも経験した上で、間違いないと思っています。

というのも、人数(15人の選手が同時にグラウンドに立ちます)の観点だけでなく、ポジションごとに求められる役割がある程度決まっているものの、実際に試合中にボールが動き始めるとそんなの関係なくなります(プレーごとにサインが決まっていてプレーが毎回切れるアメフトとの違いです)。

後述しますが、小さい選手が大きい選手とマッチアップしなくて済むようにポジショニングするのもチームワークです。夫々の選手が求められる役割を全うすればよいということではなく、チームとしての全体最適を図っていくわけです。

ラグビーをするうえでは「One For All, All For One」の精神は切っても切り離せません。これはラグビー以外の局面でも大事な思考であり、実際に仕事をするうえでも活きてきたと思います。

2. 責任感

スクラムを組む100キロを超えるような選手から、スクラムハーフと呼ばれるポジションの選手(小さい選手だと60キロ台)までが同じ空間で試合をし、時には正面から向かっていかなくてはなりません。

自分の体がいかに小さくとも、100キロを超える選手が全速力で向かってきたら防具なし(ヘッドキャップと呼ばれるものは被ることが可能ですが、アメフトのようなヘルメットではありません)でタックルします。それがラグビーです。ここで逃げる選手、タックルができない選手は試合に出ることができません。そこで体を張れる選手が監督や仲間から信頼され、1軍として試合に出ることができます。

真剣にやっている選手は誰しもが1軍で出たいと思うわけで、逃げるなんて選択肢はありません。そんな経験をしてると、ちょっとやそっとのことで逃げない精神が身につきます。

社会人になってから如何に周囲の人が最後まで体を張らない(めんどくさいことや厄介なことからうまく逃げようとする)かを目の当たりにしてきました。最後まで正面で受け止めるという精神は、僕の場合はラグビーで鍛えられたんだろうなと自己分析しています。

3. 超えられない壁

これはラグビーに限らず、スポーツ全般に言えることですが、スポーツは勉強と違って先天的な身体能力(含む体格)が大きくパフォーマンスに影響を与えます。大学の体育会でラグビーを続けると、高校日本代表とか全国大会ベスト4のチームで主将でレギュラーでした、といった選手が同期だけでなく、後輩にも毎年のように何人も入ってきます。そういった選手とポジション争いをする中で、凡人が4年間死ぬほど努力しても限界がある、超えられない壁/能力の差があるということを肌で感じました。

これだけ聞くとネガティブな話に聞こえるかもしれませんが、僕の人生にとってはプラスに働いています。スポーツの世界と比べると、世の中の大半のことは、努力と気合と根性でなんとかなることが多いです。後天的にひっくりかえせるってだけでまだましだなと思えます。

4. 常にできることを探す

僕の場合はケガが多かったため、よりこのマインドが植え付けられた気がしますが、ケガをしているとトレーニング、リハビリともにできることに制約がかかります。それでも復帰したときにパワーアップしていること、少しでも体を大きくすることがケガ人の責務となるため、常に何かできないか考えていました。不完全な状況、満足のいかない状況であっても、少しでも前に進めていくというマインドセットはラグビーで鍛えられたと思います。

5. ノーサイドの精神

最後に、ラグビーでよく言われるフレーズですが、試合後は敵味方関係なく、お互いを讃えあいましょうということです。

ラグビーワールドカップをご覧になられた方もいらっしゃるかと思いますが、試合中にどんなに白熱しても(殴り合いになっても)、試合後は必ずお互いを讃えあうマインドがあります。ビジネスの局面でも勝負がついてからは、他者から学ぶ姿勢というのは大事なのではないかと常日頃から思っています。

ここまで20年強のラグビー歴を振り返ってきたわけですが、書こうと思うとエピソード含めていくらでも書けてしまうので、この辺りにしておきたいと思います。

ラグビーワールドカップを経て、ラグビー人気が高まっていたところで、コロナにより予定されていた試合が中止、延期となってしまいせっかくの流れが台無しですが、少しでも多くの人にラグビーの魅力が伝わることを切に願っています(もちろん将来子供ができたらラグビーをやらせたいと思っています笑)。

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