キューバ旅行記(総括)

最後にキューバ旅行の総括をして旅行記を締めくくりたいと思います。

キューバには日本にいたときからいつか行ってみたいと思っていたため、今回ようやく行くことができました。

「情弱はカモられる」というのを初日から学び、苦労の多い旅行で会ったことは間違いありません。

これまでお伝えしたように為替レートが不安定だったり(2週間前からドル/CUPのレートが20%近く変動しているといっていました)、ネットの通信環境が不十分だったりと、不便な部分も多いのですが、それを上回る魅力があるように感じました。

特に治安の良さは同レベルの経済力の国と比較すると、格段にいいと思います。

ただ街中を歩いていると、中国人と間違えられる確率が90%(ニーハオ、チャイナと叫ばれます)、たまにコンニチハ、カムサハムニダ、と叫ばれます。

基本的には客引きのため、身の危険を感じることはありませんが、旅行中にアジア人を見かけることはなく、特に子供たちはアジア人を見て面白がっている、若しくは驚いている様子でした(手を振ってくる子やスペイン語で果敢に話しかけてくる子も多かったです)。

ここからは経済の話です。

ツアーで仲良くなった現地の方に聞いたのですが、キューバの大卒の月給はおおよそ40ドル(4,000CUP)。

この金額を聞くと、タクシーで片道10ドル、SIMカードを40ドルで売れることが如何に彼らの生活を支えているかも納得です。

この国には素晴らしいアセット(美しい景観、高い民度の国民、カルチャー)があるにもかかわらず、政治体制や外交問題により、それらを十分活かしきれていないようでした。

キューバではコロナになってから特に若者世代の海外への流出が深刻とのことで、オフィシャルには人口は11百万人ですが、現在はもっと減っているだろうとも言っていました。

特にアメリカ、スペイン、ニカラグアが人気とのことで、不法移民という形で海外に行く人も多いそうです。

後者の2か国はスペイン語圏ということで比較的生活に馴染みやすいことが人気の理由とのことでした。

ただスペインはVisaのサポートが必要らしく、学校などに行って奨学金をもらいつつ、移住する手段が多いようです。

アメリカの場合は特殊で、メキシコの国境から不法移民として入国し、数日間留置所に入った末にアメリカに移住するという選択肢を取るということでした。

これは現地の人から聞いた話なのでそれなりに信ぴょう性はあると思うのですが、キューバからの不法移民は特別な待遇を受けられるらしく、①留置所の拘束期間が短い(数日間、二日間という話も聞きました)、②捕まってもキューバに返されない、③アメリカに残って市民権を得られる、ということで、アメリカを目指す人が多いそうです(メキシコ人が同じ手段をとると、一カ月間拘束された上で、メキシコに返される人もいるとか)。

特にフロリダはキューバ人が多いようで、今回キューバに行く前にマイアミに立ち寄って知人と話をしていたのですが、同じくキューバからの移民が多いという話を聞きました。

キューバの若者と話していると、「なぜキューバに来たのか」と聞かれることが何度かありました。

よくよく聞いてみると彼らはこの国に対して不満がたまっており、わざわざこの国に来るのが不思議な様でした。

彼らの知人や親族もキューバから海外に移住している人が多く、本人たちも何度も移住について考えるも、家族のことや仕事を理由にまだここに残ってしまっているという話でした(その中でも、1人は間もなくウルグアイのモンテビデオに移住するといっていました)。

インターネットが開通してから4年とまだ年数が浅いものの、若者たちは外の世界、特にアメリカの情報をよくフォローしているようで、比較して如何に自分たちの国が問題を抱えているのかを認識しているような印象を受けました。

まだ少し先になるかもしれませんが、若者たちの行動により、近い将来にこの国に変革が訪れる可能性もあるのかなと思います。

今回の旅行ではトラブルもあり、行きたかったエリアをすべて回れなかったため、近いうちに改めて訪問し、キューバのさらに深い部分を見ていきたいと思います。

Leave a Reply

CAPTCHA