総合商社での学び

商社での学びということで、一部ツイッターでも書いていたことと重複しますが、140字では背景等が書ききれていないので少し深堀して書かせていただきます。

①「社内外ともにネットワーキングがまじで大事。その人を知ってるか知らないかで何か困ったときや、わからないことがあるときに聞きやすさが全然違う。その人脈をマネタイズできるかどうかは実力次第。」

総合商社の場合、単体で幅広いビジネスを手掛けていることから、全く畑違いの業界のことが知りたくなった時に社内の別の部署に聞くことで解決できることが多々あります。

また情報収集だけでなく、社内のグループを超えた協業案件なんかもあり、そういったときにたまたまその部署に同期がいる、寮の先輩・後輩がいる、飲み会・ゴルフで一緒になったことのある人がいたりすると、非常に仕事がやりやすくなります。

対社外という観点でも同じような切り口で、現業では接点がないものの、なんらかのイベント等を通じて社外の方と仲良くなることがあります。

社内でもよく上司から、「いつか一緒に仕事をするかもしれないから、社外と積極的にネットワークをしろ」と言われ、一定の意味があることは理解するものの、それを本当にマネタイズできているのか?と思うことが多々ありました(少なくともできている上司は少なかった)。

またそういった人脈を活かしてビジネスを作っている人は間違いなく実績を残して偉くなっている印象でした。

人脈を活かすためには相手にも自分が魅力的な人だと思ってもらう必要があるので、コミュニケーション能力があってたまにはバカなこともできることに加え、会話の中でふとした時にビジネスの話題に持っていけるスキルと常に自分を高め続けることが必要であることを肝に銘じたうえで、社外の方との接点を持つように意識していました。

②「個人が作った属人的な関係を、如何に儲かるスキームに落とし込めるかにその人の腕がかかってる。新規のスポットディールで終わってしまってはただの自己満。担当者がコロコロ変わってしまう中で、中長期的に儲かるスキームにしなければ本当の意味で組織に貢献していない。」

担当者のうちに実績を作ることは会社にとっては収益面、若手個人にとっては貴重な成功体験として極めて重要ですが、本当の意味での組織への貢献は中長期的に儲かるスキームを作ることだと思います。

商社の多くのビジネスが先人たちの作ったビジネスの上で成り立っています。会社が永続的に成長し、収益を上げていくうえで、社員がこのマインドを失ったら会社やその部署の将来をつぶす可能性があるということです。

商社パーソンとしてコミュニケーション能力があり、商人としての嗅覚があることは当たり前として、それを中長期的にマネタイズできるようにするのが本当に評価されるべき担当者だろう、というマインドで商売をしていました。

そのためには取引先とそれなりに踏み込んだ、強固な信頼関係を築くことが重要です。

信頼関係がビジネスの基礎、というのはよく言われることですが、信頼関係の作り方にはいくつか手段があります。

お客さんの求めるアウトプットをいち早く提供する、お客さんが欲しそうな情報を先回りして提供する、飲み会等の場を通じて面白いやつだと思ってもらう、などなど、、

あらゆる手段を使ってお客さんの懐に飛び込み、仕事で結果を出す、ということを続けることで中長期的なビジネスのきっかけが得られるということを肌で学ぶことができました。

ここまで書いていて気づいたのですが、商社での学びというよりもどちらかというと社会人としての基礎を学んだというニュアンスが強いかもしれません。

商社は「人」がすべて、と言われる通り、社会人としての基礎や人間力を高めることができたというのも商社で得られた大きな学びだったと思っています。

財務会計、英語といったハードスキルは、その気になればいつでも学ぶことができますからね(とはいえ早いに越したことはありません。理想は大学のうちに学んでおくことですが)。

僕自身は仕事をしながらそういったハードスキルをまじめに勉強できる自信がなかったため、同時に両方学ぶことができるMBAに行くことにしました。

少しだけMBAの話をすると、僕のようにバリバリ営業をやってきて、どぶ板営業やります!というタイプの人はMBA界隈には非常に少ない印象です(少なくとも僕の知る限り)。

だからこそ周囲との差別化になると思いますし、これまでのキャリアに対して後悔はありません。

少し反省しているのは平日や土日の飲み会を減らし、もう少し勉強しておけばよかったということくらいでしょうか。。

これも考えようですが、そういった場で鍛えられたコミュニケーション能力も今となってはある程度の価値があると整理しています。

商社で働いていた時の記憶がフレッシュなうちにもう少し書きたくなってきたので、第二弾も書きたいと思います。

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